Buonanotte!
 途切れた意識の中でぼんやり黒い世界が僕を迎えた。



家族は最初からいなかった。


拾ってくれたのが殺し屋だったわけで、こうして僕も殺し屋になった。









「僕は化け物なんだ。」

どこからか子供の声がした。






多分、これは幼い頃の僕。

お前は化け物なんだと周りの人間に指差されたあの頃。







「生きてるだけで周りの人を傷付けるから。」

泣きそうな彼女の声がした。







亜桃もきっとその言葉を誰かに言われてきたんだと思う。












世界は恐い。



それでも楽しい。



君を見つけたから、楽しい。





だから、どうか嘆かないでよ。











笑って、










笑って、











マイガール。



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