Love Pierrot

後ろの君






春には花見をして、夏には一緒に海に行く。



秋には紅葉を見て、冬には雪だるまを作って。



そんな平凡で当たり前のような幸せを君と一緒に過ごしたくて。



だけど簡単な事でさえ、君とは上手くいかなくて。



ただ見守るだけのあたしは…まるでストーカー?



ううん、大好きなだけなんです。



「成宮くんって、いつも同じピアスだよねー」



後ろで聞こえるのは、クラスメイトの女子生徒の声。



数人の声があたしの耳に飛んできて、まるで心を壊されてるみたいに毎日毎日の日課。



「あー…そ?」



でもいつもいつも冷たい口調の回答なのに、女子達はキャーッと黄色い声を跳ね上げる。



あたしは限界になるといつも教室を逃げるように出て行く。



しばらくして帰ってくれば、あたしの席には既に先客がいて後ろの席に向かって話しかけている。





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