アジアン・プリンス
「君は、ミス……」
「クリスティーナ・メイソンです。殿下、大変失礼なことをしてしまい、お詫びの言葉もございません。本当に申し訳ございません」
ティナは仰々しく頭を下げた。直訴どころではない、皇太子の上に落ちたのだ。無礼きわまりない。
だが、これで縁談はなくなる。
ティナは胸を撫で下ろすと同時に、心の隅に落胆を感じていた。
「では、君がミス・クリスティーナ・メイソンか。そうか……君が」
サーチライトがなくなると、またもや周囲は闇に包まれた。
皇太子が口にした「クリスティーナ」の発音に、なぜか背中を撫でられたような錯覚に囚われる。
皇太子は「そうか」を繰り返し、何ごとか考え込んでいる。ティナは言葉もなく、彼の横顔を見つめていた。
(あのオーシャンブルーをもう1度見たい。それもさっきと同じくらい近くで……)
訳のわからぬ考えが暴走している。
ティナが混乱し始めた時、父が駆けつけ、華やいだ気分はあっという間に吹き飛んだ。
「クリスティーナ・メイソンです。殿下、大変失礼なことをしてしまい、お詫びの言葉もございません。本当に申し訳ございません」
ティナは仰々しく頭を下げた。直訴どころではない、皇太子の上に落ちたのだ。無礼きわまりない。
だが、これで縁談はなくなる。
ティナは胸を撫で下ろすと同時に、心の隅に落胆を感じていた。
「では、君がミス・クリスティーナ・メイソンか。そうか……君が」
サーチライトがなくなると、またもや周囲は闇に包まれた。
皇太子が口にした「クリスティーナ」の発音に、なぜか背中を撫でられたような錯覚に囚われる。
皇太子は「そうか」を繰り返し、何ごとか考え込んでいる。ティナは言葉もなく、彼の横顔を見つめていた。
(あのオーシャンブルーをもう1度見たい。それもさっきと同じくらい近くで……)
訳のわからぬ考えが暴走している。
ティナが混乱し始めた時、父が駆けつけ、華やいだ気分はあっという間に吹き飛んだ。