アジアン・プリンス
「殿下。本気でミス・メイソンを国王陛下の妃になさるおつもりですか?」

「サトウは不満なのか?」

「私心などいかようにも。長期に渡り、ご静養中である国王陛下ではございますが……。国民はやはり、王妃さまは王妃さまとして捉えることでしょう。プリンセスの称号がございますれば、ミス・メイソンでなくともお受け下さる方はいらっしゃるのでは?」


レイは、サトウの言わんとすることはよくわかった。


それは、彼自身も考えていたことだ。


ミスター・メイソンのひとり合点で、クリスティーナにその意思がない場合は決して無理強いはすまい、と。

それがどうであろう、彼女に逢った瞬間、国に連れて帰りたい、そう考えていた。


それが、兄王の妃としてなのか、どこか心もとないレイだった。


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