アジアン・プリンス
必死で言葉を選び、レイを庇おうとしたとき――突然、チカコに右手首を掴まれ、シャツの袖を捲り上げられた。
ティナはビックリして腕を引いたが……。
「まあ、やっぱり、そういうことなのね! 信じられないわ。ご自分の愛人を、陛下に献上しようだなんて!」
「違います! 私は」
「何が違うと言うの? そのバングルがいい証拠だわ! ああ汚らわしい。婚約者がいながら金髪女となんて……。まあ、わたくしから夫を寝取って、王妃の座まで奪った女の息子ですもの。それくらいのことやりかねないわ!」
ティナは必死で頭を回転させ、言い訳を作ろうとする。
「これは、これは、家族に……そう、私がお話をお受けしましたので、その証にと。兄嫁となる私を家族と思ってくださったものです。そんな変な意味では」
チカコはそんなティナの言い訳を鼻で笑った。
「あら、ご存じないようね。確かに、子どもに譲りたいとか言ってましたけど……。その前に、大事な女性に渡したいとハッキリ言っておられたわ。きっと、ふたりの子供に引き継いで欲しいってことじゃないかしら? あなたまさか、あの男の子供を妊娠しているんじゃないでしょうね!? それを陛下のお子と謀って」
ティナはあまりの言われように、カッとなり怒鳴り返そうとした。
ティナはビックリして腕を引いたが……。
「まあ、やっぱり、そういうことなのね! 信じられないわ。ご自分の愛人を、陛下に献上しようだなんて!」
「違います! 私は」
「何が違うと言うの? そのバングルがいい証拠だわ! ああ汚らわしい。婚約者がいながら金髪女となんて……。まあ、わたくしから夫を寝取って、王妃の座まで奪った女の息子ですもの。それくらいのことやりかねないわ!」
ティナは必死で頭を回転させ、言い訳を作ろうとする。
「これは、これは、家族に……そう、私がお話をお受けしましたので、その証にと。兄嫁となる私を家族と思ってくださったものです。そんな変な意味では」
チカコはそんなティナの言い訳を鼻で笑った。
「あら、ご存じないようね。確かに、子どもに譲りたいとか言ってましたけど……。その前に、大事な女性に渡したいとハッキリ言っておられたわ。きっと、ふたりの子供に引き継いで欲しいってことじゃないかしら? あなたまさか、あの男の子供を妊娠しているんじゃないでしょうね!? それを陛下のお子と謀って」
ティナはあまりの言われように、カッとなり怒鳴り返そうとした。