モノクロな僕と君
「ん・・・」
ゆっくりと目を開ける。
瞬きをするたびにぼやけていた視界と頭が覚醒しだす。
「・・・」
(私・・・どうしたんだっけ??・・・)
真っ白な天井をボー・・・と見ていると料理の良い匂いが鼻孔をくすぐった。
空腹を感じ起き上がると、
「い・・・」
ズキっと頭が鈍く痛み、とっさに頭をおさえる。
(そうだ・・・私・・・男達にいきなり・・・)
昨日起きた出来事を思い出してくると、背中に冷や汗が伝い体が震えだす。
(ってことはここは・・・)
とっさに周りに昨日の男たちが居ないかどうか部屋をぐるっと見回したが、部屋に人影は無く、高まっていた緊張感を少し解く。
落ち着いてからもう一度部屋を見ましてみると、部屋は家具があまりなく生活感がそこまで感じられなかった。
「白と黒の物ばっか・・・。」
部屋に置いてある数少ない家具たちは、モノクロを基調としている。
生活感をあまり感じられないのは家具が少ないだけではなく、モノクロしかないってこともあるかもしれない。
でも“人はいる”と部屋の扉の外から匂ってくる料理の香りが教えてくれている。
「・・・」
行くか、行かないべきか考える。
(もし、扉を開けて昨日の男たちが居たら・・・)
そう思うと体が竦み、なかなか部屋から出る勇気が出ない。
どうしようかと迷っていると、ガチャっと扉が開く音が聞こえ反射的にまたベッドに横になり、毛布を深く被り寝たふりをした。
(び、びっくりした・・・)
ベッドに近づいてくる足音の人物に、ドキドキと早鐘を打っている心臓の音が聞こえるんじゃないかと毛布の中で体を固くした。
(落ち着いて・・・落ち着いて・・・落ち着いて・・・)
また震えだしそうな体をギュッと抱きしめて息を押し殺す。