Bitter Chocolate
着いたのは、達也の家には、負けるが高層建てマンションだった。
おそらく、彼の自宅だろう。
手慣れた手つきでオートロックを外し、エレベーターに乗り最上階のボタンを押した彼。
多分、お金持ちなんだね……。

エレベーターから降りてすぐの扉で足を止めて鍵を開け中に入った。

「お邪魔します………」

「アハハ。俺一人暮らしだよ」

無邪気に笑う彼。
初対面なのに、昔からの知り合いみたいだ。

「名前……、聞いていい?」

「まいだよ…」

「まいちゃんか!学生だよね?」

「うん…。」

「俺は、大珸!"だい"って呼んでね。まいちゃんは、良くあそこに来るの?」

「うん……。」

「そっかぁ」

「…………」

「先シャワー浴びといで」

「うん」

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