叶わない恋。
『大丈夫、ですかね…。』
突然、後ろから声がして驚いて振り向く。
そこには肩で息をしている、桐ちゃんと大ちゃんの姿があった。
2人も友美のこと、探してくれてたんだ。
やっぱり、いい先生だな。
と、改めて感じた。
「2人はここにいて。
陽菜、行こう。」
夏希は私のほうを一瞬見た。
うん、と言う変わりに私は頷いて見せる。
「友美。」
ゆっくりと歩いて友美に近づいて行く。
友美は何も答えてはくれない。
ただ、ひたすら鼻をすすっていた。