叶わない恋。




夏希は友美の横に腰を下ろす。



私は夏希とは反対側に座る。



こういう経験をしたことがない私はおどおどしていた。



ふと、夏希と目が合う。



「いい。何もしなくていい。」


夏希の目がそう言った。



それに素直に従うことにした私は真っ直ぐ前を見つめる。


ちょうど、廊下の窓から夕日が見えた。



まん丸で、



おっきくて、



赤くて、



情熱的な夕日。





あの日に見た夕日は忘れない。









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