叶わない恋。





『さっきも言ったように俺、喋るの苦手なんですよ。



まあもう1つ理由はありますけど…。』



喋るのが苦手、って言うのが1番の理由だけどまあ他にもあるんだけどね。



『なんですかそれっ?!』


島先生の横にいる中村までもが興味津々な目で俺を見る。



あれ?


中村にも話したことなかったっけ??


もう1つの理由。




『言葉ってさ、忘れちゃうじゃん?


いつの間にか頭の中から消えちゃうことあるじゃんか、やっぱり。



でも手紙なら、残るじゃん。


まあ捨てられたらおしまいだけど、
その人が大事に持っててくれたら一生残る。


だから俺は手紙を書くんだ。』



やっべ………。


俺、すげぇー恥ずかしいこと言ってねぇか?



『格好いいですよ!

桐島先生!!!!』




『桐島、そんなこと考えてたのか!!』


と、2人。


なぜか拍手。



なんで拍手なんだよ…?


俺、そんな立派なこと言ったか?






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