叶わない恋。



『じゃ、またここで逢おうな。』


桐ちゃんは右手を差し出す。



「3年後の今日。

絶対に逢おうね!!」


あたしは桐ちゃんの右手をぎゅっと握った。


2人とも顔には笑顔を浮かべて。



あと1週間もすればあたしはこの地からいなくなる。


新幹線で1時間。



帰って来ようと思えばいつでも帰って来れる距離かもしれない。


でもあたしはここで誓った。




絶対に帰って来ない。



って。



だから何があっても負けない。


挫けそうになっても、


泣きそうになっても、



笑うから。


笑いながらあなたを想い出す。


中学の3年間。


いつもあたしの傍にいてくれたあなた。


苦しいときも


辛いときも


楽しいときも


嬉しいときも



一緒にいた。



桐ちゃん。







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