叶わない恋。




「じゃあ、行ってくる!!」


最後にもう1度、桐ちゃんの方を向いた。



『おう!!

行ってこい!!』



さっきまで離れたところにいたはずの桐ちゃんはなぜかあたしの目の前にいた。



「もう、泣かない。

今日が最後の涙だから。」


桐ちゃんは微笑む。



『無理だけはするなよ?

辛くなってどうしようもなくなったら帰って来い。

俺が慰めてやるから。


ただし、帰って来るからにはもうソフトはやるな。


分かったか??』


あたしは頷いた。


絶対に帰って来ない。

桐ちゃんの傍にいたいけど、

桐ちゃんのことが好きだけど、


同じくらい、ソフトも好きだから。



「桐ちゃんも無理だけはしないほうがいいよ。

もう、トシなんだから。」


あたしはニヤッと笑う。


桐ちゃんは困ったように笑う。







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