美しいモノを撮りましょう
「…ゴメンね? 先生。ずっと黙ってて」

ナツキは口元に笑みを浮かべた。

彼が半ば、ストーカーになっていたことにも気付いていた。

写真を隠し撮っていたり、情報を集めていることを知っていた。

だからはじめて車で送ってもらった時、彼は迷わずナツキの家に着けたのだ。

でも彼から告白してくれるのを、ナツキはずっと待っていた。

タカシナがずっと自分を追い求めていることに気付きながら、それを放置していた。

「まさかこんなことで告白してくれるなんてね。…何かキッカケがあればとは思っていたけど、世の中、分からないもんだね」

ナツキは肩を竦め、クスクス笑った。

大人しくも真面目だったタカシナは、自分達の立場や歳の差で告白することを躊躇っていた。

何かキッカケがあれば、してくることは分かっていたから、今回のは本当に意外だった。
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