美しいモノを撮りましょう
「こんばんは」

ナツキの背後から、若い青年の声がした。

ナツキは顔に人懐っこい笑みを浮かべ、振り返った。

「こんばんは」

そこには二人の青年がいた。

一人はナツキと同じ歳ぐらいの青年。涼しげな整った顔立ちが印象的だった。

そしてもう一人は赤い髪に赤い眼が特徴的だ。

「ここ、殺人現場になった所で間違いないかな?」

「ええ、そうみたいですね」

「ちょっと写真撮りたいんだけど、良いかな?」

「あっ、はい。どけますね」

「ありがと。すぐに済むから」

そう言って涼しげな雰囲気を持つ青年は、手に持ったデジカメで現場を撮った。

「どうもね。ちょっとサイトで見かけてさ、興味がわいたもんで」

「そうですか」

デジカメを持った青年と、ナツキはニコニコと笑い合う。

「ところでさ、一つ聞いてもいい?」

「はい、何でしょう?」

「キミは死体を美しいモノだと思う?」

「…ええ、思います」
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