茶色い封筒
それから、コーヒーを飲みながらiPodで曲を聴きながら待っていたら…
「す、すみません!松井さんですか?」
それはなんとまあ…汗をかいて、息が乱れてる男の人。
「はい…そうですけど…立野さんですか?」
「はい!そうです!本当に良かった!無くしてて、どうしようかと思った」
「あっ…はい…」
「持っててくれてありがとうございます!」
「いえ…あっ、どうぞ。中身少し見ちゃってすみません」
「いいや、いいんですよ。…って、本当は駄目なんだけど。」
「すみません…でも、よくわからなかったです。」
「だよねー。ははは。本当にありがとうございます!何かお礼しなきゃなあ…」
「いえ、大丈夫ですよ?」
「ダメです!…何か食べますか?奢りますよ?」
「お腹空いてないから大丈夫ですよ?本当に」
「うーん…じゃあ…そのコーヒー代出します!お願いだから、お礼させてください」
「じゃあ…頂きます」
「本当にありがとうございました!」
立野さんは深々と礼をしてきた。
顔をあげてもらい、立野さんは仕事が忙しいらしく
「私…時間がないので、そろそろ…本当にありがとうございました!」
最後にニコッと私に笑いかけてくれた。
「は、はい…」
―私は立野さんの笑顔に一目惚れしてしまった。