緑の食事風景
そんな事が何日か続いたある日、いつものように


お願いだから行かないで

とか

あたしも連れてってよ

と泣きながら、ふと見上げた母の顔に

ありありと困惑の表情が浮かんでいるのに気が付いた。


――あたしが泣くから、お母さん困ってる……。


なぜ3歳の私にそんな事が出来たかは今もって不明だが

あの時、私は確かに

人の顔色を読んで
自分の感情をコントロールしたのだった。


泣き止んだ私の頭を撫で

「いい子ね。

お母さん行って来るから

お留守番、お願いね」

そう言い残して
その日も母は出掛けて行った。
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