Sweet vioret
好きだと感じてからさらに澤野和人と呑む機会も多くなってきた。


「てっちゃんこんばんは〜」

「ハルちゃんいらっしゃい!悪ぃ、今日ちょっとここ混んでるから奥の席使ってもらえる?」

てっちゃんがあたしに向かって軽く手を合わせた。


カウンターを見るとカップルだの一人で来た男の人だのなんだか座るにも座れなかった。


「オッケィ☆じゃあお酒はクーニャンだけ今お願いしていい?」

「おぅ!すぐ作るっ」


カクテルを頼んで待ってる間ぐるっと店内を見渡した。


暗い店の中なのに…

澤野和人を見つけた。


カクテルを受け取り澤野和人の元へ行く。


会えるだけでこんなに嬉しいなんてなんか中学生みたいだな…。

なんて事を思いながらも澤野和人に話しかけた。
「澤野さん!こんばんは♪」

「悠ちゃん!来ると思ってたよ〜、いらっしゃい!」

「あはは!なんかお店の人みたい 〜」

「えー?何、オレがホステス?」

「ホステスになってどうすんの?ホストでしょう?」

「ははははっ!そうだよなぁ。よし、今日はホストになろうかなぁ」

「澤野さんのホストぉ?」

「まぁ、座りなよ」

笑いながら澤野和人に促されて二人がけのソファに向かい合って座った。

いろんな事を知った。


年齢が30歳だという事。

お酒を呑む時の癖を見つけた。


笑うと甘めのたれ目がなくなってしまうとか。

それにエクボができるとこ。


優しい人。



誰に対しても優しい人。

仕事の事や澤野和人自身の話を聞いていくうちにどんどん好きになっていった。



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