初恋の次の恋
失恋


トレードマークの耳の下で結ぶ髪型をととのえて
制服のシャツの襟をととのえ
屋上へと向かう。






卒業式だからだ。
私の卒業式じゃないけど。



ま、簡単に言えば




「告白」するからだ。





お相手は、優しくて、カッコ良くて



まぁ、いわゆる



「完璧な人」

である。




「遠山…話ってなに?」




これがその「完璧」なヒトだ。



「先輩。呼びたしてすいません…」



そう、「完璧」なヒトとの関係は先輩、後輩の中だけだ。
別に、部活で一緒と言う訳でもない。
まぁ、私の勝手な一目惚れだ。





「先輩?あの、好きです。」


緊張しつつ私が言う。



「…」



やめて、黙らないで。
振るなら振ってよ。



「先輩、黙るのは反則ですよ?」







少し間を開けて先輩が言う。



「ごめん。遠山のことは後輩にしか見えない」




やっぱり


「そうですか…」





また、沈黙が続く。



先輩の前では
失恋した哀れな少女を演じるには、無理だ。



「あ、先輩。謝恩会遅れますよ?」



「ありがとう!」


と、もうしわけなさそうに
屋上のドアへと走って行く。

と、先輩が立ち止まる。




「学校をよろしく!」



ほんと、後のことまで考えられるなんて




「はい!!」





先輩が完全に屋上から出て行った。





「さようなら。私の初恋。」




誰にも聞こえない声で言った。





「ははっ振られてやんの」


完全に馬鹿にするような口調で誰かが私に言う











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