絶対裏校則
ザーザーと降り続く雨。
あたしはあの男の事を何故かじっと…考えていた。
そして教室の窓から空を見上げた。

「くだらねぇ…」

そう吐き捨てるように呟き、空から降る雨を辿るかのように下を見下ろした。


地面に溜まる水溜まりが、何故か自分の涙の様に思えた。


ポトッ…


手すりに置いていた手に小さな水が落ちた。
それは空から降ってきたものではなかった。



気付けばあたしは目に涙を溜め、それが


ポツリ…ポツリ…


と頬を伝っていた…



辛くなるとあたしは空を見上げる。


空はいつも暖かく見守ってくれる。
まるで幼い時にあたしを抱きしめてくれた母親のように…
その温もりに安心して余計にあたしの涙腺を弱くさせる。


「辛い時は泣いていいんだよ」


空がそう言っているように聞こえる。


だから声を出して泣く。
その度に雨でこの涙を消して欲しいと思う。


皆は雨は嫌いと言う…


でもあたしは雨が好き。

いつもあたしが泣くと空も泣く。

長い時間一緒に泣く。
辛いことも全て洗い流してくれる…



アメハアタシヲウラギラナイ…

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