絶対裏校則
「うっ…」

あたしは誰も居ない教室で“グッ”と声を押し殺した。


そして流れ出る涙をそっと手で拭い、手すりにもう一度手をやった…

「はぁ…」

あたしはため息をつくなり、降り止むことのない雨をじっと眺めていた…


このまま落ちてしまえば楽になれる…?

もう…何も悩む事も無く…自由に居れる…

あたしが死んで悲しむ奴なんて居ない…

だったらこのまま死んで楽になろう…


そんな事を考えていたら自然に右足が手すりのとこまで上がっていた。

「よし…今なら…っ!!」

思い切って左足を上げた。両足が手すりに乗り、手を離せば空を飛ぶように地面に落ちて行く…

まるで自分が雨になれるような気がした。

「あたしも雨と一緒に落ちて水溜まりになったりしてw」

なんて馬鹿な事を考える余裕まであった。

「ふぅ…」

一息ついてゆっくり手を離した…

一瞬ふわっとしたが、後ろから誰かに腕を勢いよくつかまれ、そのまま後ろに倒れた。

「いったぁ…」

「いてぇのはこっちだ!!馬鹿野郎!!てめぇ何やってんだ!!死にてぇのか!?」

後ろを向くと浅倉慶があたしの下敷きになって倒れていた。

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