優等生な彼vs不真面目な彼
【11】保健室





翔「萌、おはよう」



下駄箱の前で振り返ると

鼻が赤くなった翔君が立ってた




「おはよ・・・」

翔「・・・またなんかあったのか(笑)」

「・・・なんもない」

翔「はは・・・でもさ、その顔はやばいから一回どっか行こうか?」





翔君は優しく笑ってあたしの手を引く

『やばい』っていうのはたぶん、泣きはらした目のことを言ってるんだと思う





翔君はゆっくりした足取りで長い廊下を歩いて

保健室のドアを静かにノックした



大「・・・ぉわ、なんだお前ら。朝っぱらから」



椅子の上でタバコをふかしてたのは

保健医の大野哲先生




翔「具合悪いらしいんで休ませます」



先生を素通りして一番奥のベットにたどり着くと、シャっ!!ってカーテンを閉めた


ベットにあたしを座らせて

自分は向かい合うようにパイプ椅子に腰を下ろす翔君は


翔「・・・で、話せる?」



って、まっすぐな目であたしを見つめた



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