こんな恋の始まり…
目の前に、ニュッとアイスクリームとお釣り。
「あ、ありがとう」
「どうしたん?考え事」
「ううん、なんでもないよ」
いきなりやったから、顔が赤くなる。
「彼氏の事でも考えてたん?」
へっ?
「ち、違うって。彼氏なんかいてへんもん」
「彼氏いてへんのん?」
「ちょっと傷つくことあんまり言わんといて」
「別れたとことか…」
「君、わりとしつこいなぁ」
「……」
アイスクリームを食べながら、私を見る。
私もアイスクリームを口に運び
「そういう君は彼女?」
「いてへんよ」
「ハハハ…嘘ついたらあかんよ。そんだけイケメン?やし、話しも面白いからモテるやろ?彼女くらい」
「ほんまにいてへんて」
少し大きな声で否定する。
「そ、そうなん。そんな大きい声で云わんでも…ごめんね」
「あっ、いや。ごめん。大きい声出してもうて」
シュンとうなだれる。
「お姉さんは?」
「うん?」
「さっきの話し。彼氏と別れたの?」
その話しか。
「さっきも言うたけどBFはいるけど…彼氏と呼べる人はなぁ」
「ふーん」