正直に好きだと言えなくて…








‘‘もう寛人とは他人として接して’’―――



私たちは寛人のお母さんに言われた



‘‘あの子は辛い記憶があったから記憶を無くしたって先生が言ってたの’’―――


‘‘それなら思い出してほしくない’’―――


‘‘あの子に辛い思いを
させたくないから’’―――



私たちは辛かった
でもそれ以上に寛人のお母さんの方が
辛いって

私たちは知ってた


だから私たちは



‘‘分かった…’’



そう答えた





< 8 / 149 >

この作品をシェア

pagetop