魁桜
いつかみんな…魁桜に“裏切られるかもしれない”というのが、心のどこかにあるから。
だからいつも隙を見せずにみんなの顔色を窺っている。
…それはもう昔からの癖だから今さら治す事は困難だ。
「あっ、後ろにいる奴に気付いてない…!」
「アイツ、何やってんだ!?」
あたしもみんなの言葉に驚いて稚里に目をやった。
――…確かに、背後にいる女に気付いていない。
そして稚里は殴られて、地面に倒れた。
「!!」
いや、違う。
気付いてなかったんじゃない。