魁桜
ワザと、気付かないフリをしていたんだ―――…。
あたしには見えた。
殴られる寸前に、ニヤリと口角を上げて笑った稚里を…―――
「おいおい…!大丈夫かよ…!?」
「あの女…絶対本気だった……」
「やべぇんじゃねぇの…?」
稚里はあんな弱いパンチでやられたりはしない。
それに背後にいたのを気付いていた。
それでもワザと殴られたのは……。
「刺激が、欲しかったから………」
この乱闘を見てる限り、確かにみんなは本気で戦っている。