英国喜劇リトレイス
俺が何か悪いことをしたのか知らないが、なんかやたらと酷い目に遭わされた。
いつも周りに女が絶えなくて、しょっちゅう遊んでるエルヴィス。
微笑みの貴公子なんて言われてるが俺だけは知ってる。
こいつは……いじめの貴公子だっ!!
「ディゼル、大丈夫な? 少し涙目に見えてるぜ」
「てめえの見間違いだよ!」
「ホントな?」
面白がってエルヴィスの目が細まる。
このなあなあ節もうざったい。
俺は出来る限りの勇気を振り絞り、エルヴィスの正面に歩みよる。