英国喜劇リトレイス

バァンと音がして下を見る。
レイモンドは一気に距離を詰めレイモンドに迫る。

いける、俺が思ったその時――カラン!

金属が転がる音。

「!?」

「なっ!?」

エルヴィスの端正な顔が自らの後方に向く。
視線の先にはレイモンドの長剣がバウンドして浮き上がって――

「レイらしくもない、これで終わりな!」

エルヴィスが笑みを浮かべ向きなおった瞬間。
落ち着き払い、平然としたレイモンドが目に入る。
そして、両手の裾から飛び出る仕込み剣。

「お忘れですか兄さん。僕の武器は長剣だけじゃない」

―――!

「剣と名がつけば…なんだって自在に扱えるということを!!」

高い金属音と共に無数の刃が舞った。

「ディゼル!!」

言われなくてもわかってら!!


俺は力を使って思いっきり飛び上がった。


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