英国喜劇リトレイス
ったく、揃いも揃って人をバカにしやがってちくしょー。

「そうじゃなくて、俺が言いたいのは……ここ、俺が夢に見てた時計のところにそっくりなんだ」

夢の通りなら振り向けば――やっぱり。
長針が身の丈ほどの時計が佇んでいた。

「正確には、ちょっとだけ違うんだよ」

間の抜けた声が降って来た。

「ディゼルが見ていたのはキミの残りの命を示した時計。ここはキミの中じゃなく、地上と天界と地獄を別つ境界。

こんなところまで来たヒトってたぶん初めてかも」


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