英国喜劇リトレイス
行くぞ!
気合を入れて、俺は思いっきり地を蹴った!
「……え?」
最初に出たのは疑問だった。
「ぐぉおっ!」
間髪入れずに男は悲鳴を上げた。
俺の大剣は男の右肩を貫き、石壁に縫い付けている。
けれど、おかしい。
走り出して、ふと気づくともう俺はひげ面の懐にいて、構えた剣に手ごたえを感じた。
その間、一瞬もない。
「何で…?」
「ディゼル! ここにいたか! すぐにここから離れるぞ!」
顔を上げると、イアンがこっちに走ってきていた。
俺はすぐに剣を引き抜き、血を拭うと剣をしまった。