英国喜劇リトレイス
すると魔女は小さく笑った。
「ここからなら、私の家が近い。森の中、隠してある」
魔女はそう言って後ろを示す。
見れば俺たちはもう森の入り口まで来ていた。
「そうか。じゃあ、できたら泊めてもらってかまわないか?」
おお、ナイスだイアン。
俺もそれを聞きたかった。
「ええ。命の…恩人ですものね」
「恩に着る」
「では、気をつけてついてきて。夜の森は危ないから」
そうして俺たちは、宵闇よりも暗い夜の森に足を踏み入れた。