Sweet secret
部屋に入って着替えてご飯を作る。

いつものことなのに何か物足りない。

…久しぶりに電話してみようかな。

携帯を手に家の番号を押す…

…ガチャ

「もしもし」

「零(れい)?…久しぶり」

「姉さん?どうしたの?」

零というのは私の弟。

四歳離れてる。今は小6。

「うん。どうしてるかなって」

「代わりないよ。…母さんに代わる?」

「…うん。お願い。」

零が遠慮がちに聞いたのは私の過去のせいだろう。

今でも完璧にぬぐえた訳じゃない。

…私は母親から虐待を受けていた。

中学の時、成績を落としたことがあった。テストの成績を知ったとたん、あの人は私を殴った。

なんでこんな成績なんだとこれじゃ恥ずかしくて外も歩けないあんたなんか産まなきゃよかった。このクズ!

そう怒鳴られ続けて殴られた。何回も。

そして何回も蹴られた。

その日を境にあの人は変わった。

日常的に私に暴力を振るい続けた。

テストの成績をあげても、その暴力が止むことはなかった。
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