「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
金剛戦士
ニューヨークは、まもなく午前九時三十分

李や補佐官と科学者が、午前十時からの会見発表の打ち合わせを終えようとしていると、小惑星群の観測をしていた、女性の科学者が入って来て報告をしたいことがあると言って、李に承諾をもらい話し始めた。

「観測によりますと小惑星群は、数時間前より速度を減速し始めました。これは以前の火星通過時にも見られた現象であります。どの程度の速度まで減速をするのかは、今のところ不明でありますが、少なくとも地球への到達時刻は先に延ばされることになります」

「仮に火星通過時の速度まで減速するとして、本日午後十時の到達予定時刻は、二時間程度後の、明日の午前零時辺りになると思われます」

「減速の仕方や減速の程度により、到達時間は、かなり前後すると予想されますので、観測結果から導き出される、到達予測時間を、二時間ごとに、お知らせしようと考えております。。会見発表を行なう時の、重要な資料になると考え、急ぎ、ご報告させていただきました」

彼女は報告すると、すぐに小惑星群の観測に戻った。

李を始め全員が、到達が遅くなれば遅くなるほど迎撃の準備が進み、迎撃態勢が整ってきて都合が良いと考えた。

この情報は、ただちに各国全権と政府に伝達され、到達予想時間が変更されれば、そのつど連絡する事も伝えた。

到達時間が延びたのは好都合だが、どちらにしても、そうは多くの時間が確保されている訳ではなく、各国の政府と軍隊は実戦配備を急いだ。

午前十時、会見発表
中央に李が腰掛けて、補佐官や科学者が並びに座った。
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