「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
二人は、小雨になっている雨が止むことを願いながら、出発する用意を始めるのであった。




安全保障会議の翌日、午後七時半

李は早めに夕食を済ませて通信本部に来た。

まもなく小惑星群観測の指示を受けた中の、最初に観測をする予定の貨物船からの通信が入る時間である。

科学者や補佐官も揃って貨物船からの連絡を待つ中、貨物船から

「あと三十分後に小惑星群に再接近します」
と連絡があった。

その最接近時の距離は、およそ二十キロメートルであると伝えられ、その距離であれば充分な観測機器を持たない貨物船でも、ある程度の結果が期待できるであろうと思われた。

小惑星群の全体像や個数、表面の状態なども分かるのではないかと考えられ、大いに期待して待っている。

三十分が過ぎ、まもなく写真が送られてくるであろうと全員が待っている。

ところが、それから十分以上が経過しても貨物船からは写真は送られてこないし、何も言ってもこない。

全員が、じりじりとしながら待つものの連絡は入らない。

結局、最後の連絡から一時間近く待っても何の音沙汰も無いので、本部から貨物船に連絡を入れたのであるが、何も反応が無い。

何度も何度も呼び出すのだが、だめである。
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