佳き日に




もしも、自分が雨だったら、その女の子と関わろうとなんかしなかっただろう。

メモリーズならば誰だって、人間と関わりたくないと考えるのが普通だ。



自らの惨めさを、思い知るだけだから。



選ばれた人間と、選ばれなかったメモリーズ。



琴も、今回のことがなかったら琥珀と関わることなどなかっただろう。

出会えてよかったのか悪かったのかは分からない。


ただ、高い身体能力も記憶を盗める力も要らないから、人間になりたい、と。
小さい頃はよく考えていた。





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