佳き日に




『もしもし?』

意外と早く菘は出た。

「おー、菘。悪い、俺ら赤い女殺せなくなった。」

『はぁ!?』

「休戦協定結んじゃってよー。」

『何考えてんのあんたたち!?』

「言っとくけど俺じゃねーからな。桔梗だからな。」

「すいません菘さん。」

『………』

電話の向こうで菘はきっと絶句していることだろう。

今回はこちらが勝手な行動をしたので叱られてもしょうがない。

それでも叱られたくない鉛丹は別の話題を探す。

「そういや菘お前今どこいんの?本物の赤い女の居場所とか分かったのかよ。」

『……逃げてる。』

「はぁ?早速赤い女からか?」

『微妙に違う。椿のところに、警察が来たの。』

「………え?」

「椿さんは?」

予想もしてなかった事態に鉛丹と桔梗は狼狽える。


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