佳き日に




鉛丹はある陳列棚の前で立ち止まった。
桔梗もそれに釣られて足を止める。


「こんなのあるんですね。」

コンタクトレンズが置いてある棚の一角に、デカデカと大きく宣伝されている商品があった。
カラーコンタクト。

鉛丹はようやく見つけた目当ての商品をカゴの中にいれた。


「兄さん、カラーコンタクトなんて必要ありませんよ。」

「変装するとき使うかもしれないだろ。」

桔梗はなんだか納得いかないような顔をしていた。

誤魔化すかのように鉛丹は桔梗の顔を見て口角を上げた。


「お前の目標が達成されたら、プラネタリウム行こうぜ。今回は時間なくて行けねーから。」

「そうですね。」


パンパンに物が入れられ重くなったカゴをレジへ持っていく。

あと数日後にはこのカゴの中の物が大いに活躍してくれることだろう。
頼もしいな、と鉛丹は笑った。

口約束しか出来ない自分とは大違いだ。



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