佳き日に
「元々古本屋だった場所を調べてみるとかは?」
琥珀がそう提案してみても、雪は僅かに首を振るだけだった。
「調べてみたが全部空振りだった。大型スーパーが建ってたり、さら地になっていた。家が残っていたとしても、とても人が住んでいるような家には見えなかった。」
また沈黙。
何か他にヒントになることはないか、琥珀は雨の日記をペラペラ捲る。
「元の名前をもじったとか、ないですかね?」
ポツリと落とされた閏の言葉。
琥珀は顔を上げる。
「アカネをカネアとか?」
「言いづらいな。」
間髪いれずに雪にそう言われ琥珀は口元を引きつらせる。
「じゃあネアカ?」
「いや、アルファベットじゃないですか?」
「AKANEをいれかえて?」
「NAKAEでナカエとかですかね。」