佳き日に
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色とりどり鮮やかなショーウインドウ。
甘い香りがこっちにまで漂ってきそうだ。
閏は窓に顔を近づける。
もしかしたら、と思ったがやはり香りは嗅げなかった。
エナカの家から出た直後、「花を買いたい」と車に乗るやいなや琥珀はそう言った。
その時にはもう急いで帰る理由もなくなっていたので雪と桔梗はその申し出を了承した。
エナカの家で白川という男から「政府はもうメモリーズを探していない」という情報を聞いていたのだ。
琥珀が花屋にいる間、雪と閏は車で待つことにした。
一人で花屋に向かう琥珀の背中。
「もうすぐ細菌をばらまくからメモリーズを探す必要がないんですかね。」
「だろうな。」
運転席に座っている雪は琥珀が入っていった花屋をボンヤリと見つめている。