男子校のお姫様
「ねぇ慧。あの豪邸は何?」
あたしたちの目の前には豪邸と高級ホテルをかけ合わせたかのような建物がたくさんある。
「あれが寮。校舎同様寮も1学年に1つずつあるんだよ」
「・・・そうなんだ・・・」
あたしはなんとか返事をすると、慧の後を追いかけた。
「ここがうちの学年」
慧はそういうと建物の中に入って行った。
エレベーターに乗り込むと慧は手慣れた様子でボタンを押した。
「夕飯楽しみ。久しぶりに佳音の手料理が食べれる」
「あんまり期待しないでね?」
あまり料理の腕には自信ないからさ・・・。
エレベーターが最上階に到着した。
あたしはエレベーターから降りて絶句した。
「外から見ても中から見てもやっぱり長い・・・」
廊下が長い・・・。これで1番端まで行かなきゃいけないなんて・・・。
あたしは1人脱力する。
慧はそんなあたしを見て笑っていた。