男子校のお姫様
「うちの学年はどれくらい残ってる?」
「えっと・・・まだ半分以上残ってるね」
祥の言葉に慧が答えた。
「やばいぞ、慧。今のうちにここ出ないと出られなくなる」
琉生兄がそう言うと、慧はパソコンを覗きこんだ。
「ほんとだ・・・。じゃあ行こう」
慧はそういうと、パソコンをバッグに入れて琉生兄に渡した。
琉生兄はそれを受け取るとあたしの手を優しく握った。
慧はその反対の手を握ると、ドアから周りを窺いはじめた。
「合図したら、みんな一斉に行くよ」
慧はそういうと再びドアの外を確認した。
「今だ!」
その言葉を合図にあたし達は走り出した。
琉生兄と慧が手を引いてくれているおかげで、さっきよりもだいぶ楽・・・。
楽なんだけども・・・後ろ!いっぱい般若がぁぁぁ!!
あたしは追いかけてきている先輩達の顔の怖さに泣きたくなった・・・。