イジワル社長と秘密の結婚
しんと静かな部屋で、私は彼に視線を合わせられず立ったままだ。すると、蒼真さんが声をかけた。

「咲希、座ったら?」

「うん……」

蒼真さんの向かいに座ると、なんだかとても緊張してきた。

「蒼真さん、どうしてここへ?」

おずおず聞くと、彼は私を見つめて言った。

「勘だよ。咲希の様子がおかしかったし、もしかしてと思って」

「でも、私が来なかったら?」

勘でここへ来るなんて、蒼真さんの度胸は凄い。もし思惑と外れていたら、どうするつもりだったんだろう。




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