イジワル社長と秘密の結婚
「どちらにしても、咲希との今後のことを、おじさんには話しておきたかったから」

「そうだったんですね……」

今後のことって、どういうことを話したんだろう。前向きなこと? それとも……。

「おじさんには、ケンカをしたとは言ってないから。ただ、こんな風に俺が来たからそう思われたみたいだ」

「父の誤解はといておきます。そういえば、蒼真さんは田辺さんと約束があったんじゃ……?」

「ああ。だから、もう失礼するよ。着替えを用意してきた。今夜、ここに泊まらせてもらうなら使って」

そう言った蒼真さんは、立ち上がり部屋を出た。父となんの話をしたのか、確認しそこねちゃった。

だけど、これだけ堂々としているなら、真由さんとは、わだかまりがないのか。それすら分からなくて、気持ちが悶々としてしまう……。
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