イジワル社長と秘密の結婚
「ごちそうさまでした……」

一人の夕飯って、こんなに味気なかったっけ?

蒼真さんの出張先は香港らしく、海外だと知ってより心細さが増す。

もう現地には着いているみたいだけど、仕事で行っているのだから、簡単に連絡はできないーー。

「いやいや、別に連絡をしたいわけじゃないって」

むしろ、一人になった今こそ、離婚をどうすればできるかを考えなくては。

食器を洗い、お風呂を済ませて寝室へ行く。一人で寝るには広いベッドに腰を下ろすと、また寂しさが込み上げてきた。

急な出張でも、着替えなどは取りに戻ってきたらしく、クローゼットから彼のスーツが減っていたのを見て、本当に一人なんだなと思えてくる。

「私って、寂しがり屋のはずじゃなかったけどな……」

小説でも読んで寝ようかと思っていたとき、LINEの通知音がした。

「なんだろ」

見ると、蒼真さんからLINEがきていた。
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