君ノ隣。




―施設に入ってから7年

今日、高校の入学式を迎える。



「早くしろよ、遅れるぞ」



そして、今
あたしには彼氏がいる。



そう、『あの彼』のこと。




「ちょっと待ってよー、涼ー!!」



靴を履き、玄関から外に出る。




「…ッたく、本当おせぇなー」




「ごめん…」



「ほら、行くぞ」




涼の大きな手に包まれて
あたしは幸せものだ…







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