『短編』紙婚式
翌朝。
昨夜なかなか眠れなかったわたしは、寝坊してしまい、起きた時にはもう亮は出勤していなかった。
隣りに誰もいないダブルベッドは、やたらと広く感じる。
亮がいないのが寂しいと思う自分と、どこかほっとしている自分がいた。
誰もいないリビングへ行き、ふと壁にかけてあるカレンダーに目をやった。
初めての結婚記念日、明日なのに。
まさかこんな気持ちで迎えることになるなんて。
「はあぁ……」
大きなため息が漏れた。