『短編』紙婚式



「だって、この前久しぶりに見た梨花さん、相変わらずばっちり決まってて、なんか女性として負けたって思っちゃったんだよね」



「なに言ってんの。菜々、ちっとも所帯じみてなんかないって」



「ほんと?」



「もっと自分に自信持ちなさいよ」



「うん……」



自信を持てって言われても……。



今のこの状況じゃ、ますます自信喪失しちゃうよ。



「ねぇ。さやかだったらどうする?」



「ん?」



「聞いてみる?」



「あたしだったら…気になってずばり聞いちゃうかな。はっきりさせたいもん」



「う~ん。わたしもはっきりさせたい気持ちはあるけど……」



わたしが言いよどんでいると、



「惚れてるんだねぇ、亮さんに」



そう、さやかに言われてずきっとした。


< 20 / 34 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop