女王様は上機嫌【GL】
昼休み。
千鶴はこの時間になるとすっと姿を消す。
たぶん屋上にいるんだろう。
わたしはユカと一緒に教室でお弁当を食べる。
「奈々子のお母さんって料理上手だよねえ」
「そう?」
「そうだよ~。冷凍食品とか使わないしさあ」
お母さんを誉められて悪い気はしない。
わたしは二ッと笑って、ユカにたずねた。
「目的はなんじゃ?」
「ハンバーグが欲しいのです、お代官様」
「越後屋、お主も悪よのう」
ミニコントをしながらハンバーグを一切れあげる。
「ありがとー」
ユカは嬉しそうにモシャモシャと食べはじめた。
と、その時。
「宝田千鶴はいるかー?」
大きく声を響かせながら、男が教室に入ってきた。
担任だ。