女王様は上機嫌【GL】
「図書室ってどこ?」
彼女の声が静かに響く。
「‥‥へ?」
「だから、図書室だってば」
ぐりぐりと靴底が動かされて、わたしは表情を歪めた。
それが人にものを聞く態度か?
ていうか。
なんで踏まれてるんだ、わたし。
「図書室ならその廊下渡って、あっちの棟に行かないと」
彼女の問いに答えたのは友人だった。
わたしの手が踏まれていることに気づいていないようだ。
途端に彼女の笑みが消える。
「そう、ありがと」
無表情でそう言って、右足を引っ込める。
やっと手が解放された。
ほっとしたそのとき、彼女の顔が近づいて。
「今度こんな無礼を働いたら、ぶっ殺すよ?」
そう、囁かれた。