嘘つき彼。



「適当に座っていいから」


家に着くと、
私は部屋に案内された。

「外は誰に会うか、解らないから
ごめんね?」


拓海くんが、
申し訳なさそうな声で
そう言うから、

「全然いいよ、気にしないで」

と言葉を返した。



男の子の部屋って、
初めて入るけど意外に綺麗なんだなあ、なんて思ったり。



なんだか落ち着かなくて、
拓海くんに話かけようと思って
顔を上げると、
そこには拓海くんの顔があって。


「………」



静かにキスをされた。



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