狼ゴコロは愛のイロ
PA 2:30
ガチャッ
玄関のドアが開く音がした。
「おかえり」
「うん・・・ただいま」
起きているあたしを見て、困った顔をする雅。
見ないことにして、鞄をぶんどり先にリビングに行く。
「ご飯、温めるから着替えて待ってて」
「あー・・・先にお風呂入るから、玖美は寝てて」
「大丈夫だよ。待ってる」
「玖美・・・・・・」
いつもより強い口調の雅。
雅が深夜に帰宅するようになって今日で5日目。
雅だってキツいはずなのに、あたしだけ呑気に寝てられない。
体を心配してくれるのだって分かってる。
だけど・・・・・・・・。
「雅は、淋しくないの?」
「え?」
「2週間、毎日のように顔を会わせない日が続くなんて、あたしは淋しいよ」
「俺は、淋しい気持ちよりも玖美が体を壊さないか、心配の気持ちが大きい。それに、一緒に仕事に行けなくなったんだから、地下鉄使うとき、大丈夫なのか?」
雅の気持ちもわかる。
でも、悲しかった。
淋しいと思うのは、あたしだけ?
そう思ったら、カッとなって、思ってもいないことを言ってしまった。
「・・・・・大丈夫よ。当たり前でしょ。雅がいなくたって、あたしは一人で地下鉄ぐらい乗り切ってみせる」
